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リサーチ・フォーカス No.2025-005

決済手段の多様化を受けた国内の決済関連規制の変化 ~ 「資金決済制度等に関するWG報告書」を踏まえ ~

2025年05月01日 谷口栄治


経済・社会活動のデジタル化が様々な局面で進むなか、消費者の決済手段も多様化。デジタル技術を基盤とした決済手段の多くは資金決済法に依拠しており、累次の法改正により、資金移動業、暗号資産交換業、電子決済手段等取引業が規定された。

2024 年には、新たな金融サービスの登場等を踏まえた適切な規制のあり方の検討を目的に、金融審議会「資金決済制度等に関するワーキング・グループ(WG)」が設置され、本年1月に報告書が策定された。現在、同報告書を踏まえた、改正資金決済法が国会で審議中。同法案等に盛り込まれた規制見直しの具体策は以下の通り。
① 資金移動業者の破綻時の対応
事業者の破綻時に利用者に迅速に資金返還できる枠組みを整備。
② 第一種資金移動業者への規制(滞留規制)緩和
利用者資金の滞留許容期間を最長2ヵ月に。送金期間の指定も許容。
③ クロスボーダー収納代行に対する規制
資金決済法の適用となるクロスボーダー収納代行業務を明確化。
④ 暗号資産交換業者等の破綻時の対応
暗号資産交換業者等に対して資産の国内保有命令を発出可能に。
⑤ 暗号資産等の取引媒介に係る規制
暗号資産の売買等の媒介のみを行う新たな仲介業(登録制)を創設。
⑥ ステーブルコイン(電子決済手段)の裏付資産に係る要件の緩和
信託型ステーブルコイン(特定信託受益権)の裏付資産について、50%を上限に、国債、定期預金による運用を許容。

今後、わが国における決済関連の規制の見直しにあたっては、利便性の高い決済サービスの開発といったイノベーション推進と、資金移動業者等の金融システムにおけるプレゼンス拡大を踏まえた態勢整備の両面からの制度設計が重要に。また、暗号資産が投資(投機)対象となっている実態を踏まえ、金商法上での取り扱い(情報開示、不公正取引の排除、税制上の取り扱い等)を検討する必要あり。


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