リサーチ・アイ No.2025-009 トランプ関税が関西経済に与える影響をどうみるか 2025年04月11日 藤山光雄米国政府による関税引き上げは、関西経済にも影響が大。関西の国・地域別輸出額をみると、中国向けが伸び悩む一方、米国向けは高水準で推移していただけに、先行き、関税引き上げを受けた米国向け輸出の下振れに懸念。ただし、関西は全国と比べて米国向け輸出の割合が小さいため、米関税引き上げによる直接的なマイナス影響は相対的に小さくなる可能性。一方、全国と比べて中国・香港向けの割合が大きく、米中の報復関税の応酬で中国景気が大きく減速すれば、関西の輸出に対する下押し圧力が増す見込み。また、関西の米国向け輸出を品目別にみると、日本全体では3分の1以上を占める輸送用機器(主に自動車・同部品)の割合が極めて小さい一方、化学製品(医薬品やプラスチックなど)や一般機械(建設用・鉱山用機械など)の割合が高く、品目毎の関税の高低によって日本全体と関西経済への影響に差異が生じる可能性。業種別に濃淡がみられるにしても、4月9日に一時停止された相互関税の上乗せ分が再び発動されれば、関西でも、これまでコロナ禍前を上回る水準を維持してきた製造業の収益が大きく悪化する公算が大。製造業の業績悪化を引き金に賃上げの動きが腰折れすれば、非製造業にも影響が波及し、景気が大きく下振れするリスク。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)