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リサーチ・フォーカス No.2025-001

欧米主要銀行の2024年決算 ~ 銀行決算は総じて好調、不確実性への備えが急務 ~

2025年04月02日 谷口栄治


欧米主要銀行の2024年決算は、ネット金利収入が伸び悩んだ一方、投資銀行ビジネスやマーケッツ関連収益が復調するなか、ボトムライン収益は堅調。2024年の事業環境の概況、ならびに今後想定される事象をやや詳しく見ると、以下の通り。

(ネット金利収入)
金融政策の転換(利下げ局面入り)を受けて、ネット金利収入は頭打ち。本年度については、利鞘縮小が一服する一方、貸出残高が増加するとの見方から、前年比横ばいから微増を予想。

(非金利収益・・・投資銀行ビジネス)
金利低下や前向きな企業活動の回復により、投資銀行業務関連収益が復調。本年度も回復が期待される一方、トランプ政権の政策運営の不確実性が重石に。

(マーケット関連、ウェルスマネジメント事業)
マーケッツ関連収益は、米大統領選後の金融取引の増加等を受けて、株式を中心に増加。ウェルスマネジメント事業も、株価上昇により預かり資産が増加。今後もボラティリティの激しい市場環境は継続。

(営業経費・クレジットコスト)
インフレ率の鈍化に加え、ビジネスモデル見直しの効果もあり、経費率は総じて改善。クレジットコストについては、リテール関連ローンで増加しているほか、ノンバンク(NBFI)関連のリスクも懸念される状況。

欧米銀の決算から得られるわが国金融機関経営や金融システム安定に向けた示唆は以下の通り。

①金融政策の転換など、経済・金融環境の変化への対応力を強化する観点からも、事業ポートフォリオの多様化が不可欠。

②トランプ政権の政策運営など、金融機関の経営環境の不透明感が高まるなか、わが国金融機関として、「攻め(ビジネスチャンスの捕捉)」と「守り(経済・金融リスクへの対応)」の両面からの備えが重要。


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