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リサーチ・アイ No.2025-001

中国人観光客の回復を関西広域観光の起爆剤に

2025年04月01日 西浦瑞穂


コロナ禍以降の関西における訪日外国人数の延べ宿泊者数をみると、シェアの大きい中国人の回復が他国に比べて遅れ。もっとも、関西の中国人観光客は、2024年半ばにコロナ禍前の水準を取り戻し、足元で増勢が急加速。

ただし、コロナ禍前後で中国人観光客の客層や消費スタイルに違い。具体的には、①団体ツアーから個人旅行へのシフト、②ショッピングを主な目的とする旅行者の減少、③リピーターの増加、④滞在期間の長期化、などが指摘可能。個人旅行の増加は、個人観光ビザの発給条件などにも左右されるとはいえ、高所得者層やリピーターの増加などが背景に。個人旅行であれば滞在期間や旅行プランの自由度が高まり、余裕のある旅程のなかで文化体験へのニーズが高まるなど、個々の変化は絡み合って生じていると思料。

ここで、関西の府県ごとに中国人観光客の推移をみると、回復状況に差。京都、大阪の回復が先行し、足元では兵庫や和歌山でもコロナ禍前を上回る水準に。一方、奈良や滋賀では依然としてコロナ禍前を下回る状況。

一部の観光地では既にオーバーツーリズムの課題を抱えるなか、増加が見込まれる中国人インバウンド需要を関西全体で受け止めるよう対応していくことが不可欠。そのためには、長期滞在者に向けた関西域内の周遊ルートの提案や現地に赴かなければ得られない文化体験など、中国人観光客の客層や消費スタイルの変化を捉えた観光コンテンツの作り込みが重要に。


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