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リサーチ・フォーカス No.2024-069

空き家の利活用に向けた課題と今後の対応の方向性

2025年03月19日 下田裕介


わが国における空き家の数は、先行き拡大が見込まれており、農村部や過疎地域のみならず、都市部や郊外都市でも深刻化すると予想。対応策の一つとして空き家の利活用が有効であり、広域で取り組む必要あり。

自治体を対象とした調査によると、空き家の利活用について、約8割の自治体が何らかの形で取り組みを実施。その目的は、移住や定住促進が最も多く、地方創生、二拠点居住などの促進、中心市街地の活性化に向けた施策も展開。もっとも、関係者への周知不足、行政のマンパワー不足、地域での適当な民間企業などの不在、法規制による足かせ、利活用希望者への経済支援の不足などの課題が存在。

こうした状況を踏まえて、以下の視点に立ち、空き家の活用を促進する必要あり。

① 地方経済の活性化
Uターン希望者や二拠点居住希望者などを呼び込むために、修繕費用の援助や一定条件での固定資産税の減免など、自治体は空き家所有者や利活用希望者の金銭的負担を抑制する必要。また、インバウンドの呼び込み策として、中心市街地の複数の空き家を商業施設や宿泊施設に転換することも一案。

② 都市部や郊外での空き家対策の本格化
都市圏や郊外都市では、高度経済成長期に整備された住宅団地における一斉空き家化が懸念される状況。リノベーションなどを通じて、若年層や現役世代を呼び込み、地域の若返りを図る必要。また、住宅の用途規制に係る規制緩和を活用し、団地内や周辺地域に商業施設(コンビニ、カフェなど)を整備するなど、魅力的なまちづくりが重要に。

③ 利活用促進に向けた連携の強化
空き家問題を自治体関係者だけで対応するのは困難であり、民間企業や地元のNPOなどと連携し、空き家活用や魅力的なまちづくりに資するノウハウを共有することが有効に。物件の築年数に関係なく空き家購入に利用できる空き家専用ローンの取り扱いなど、金融機関のサポートも重要。


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