ビューポイント No.2024-042 開幕後の大阪・関西万博をみる視点 ~機運醸成、関西での観光促進、成長産業の育成、夢洲のまちづくり~ 2025年03月13日 藤山光雄大阪・関西万博の開幕が迫るなかでも、万博への来場機運は十分に高まっているとは言い難い。もっとも、最終的な来場者数は、開幕後の機運醸成にも大きく左右される。今後は、万博会場を訪れることによって得られる「リアル」の価値の訴求や、実際に会場を訪れてくれた来場者の満足度向上がカギとなる。関西の観光への貢献という観点からは、観光客に万博会場だけでなく、関西の他の観光地も合わせて訪れてもらうことが重要となってくる。地方でのインバウンド観光客の誘客に向けては、SNS や動画サイトでの情報発信や、交通インフラの提供に取り組む必要がある。万博の開催をいかに関西経済の成長に結び付けていくかという視点も欠かせない。①脱炭素(水素・蓄電池など)、②ヘルスケア・ライフサイエンス、③「食」、④中小企業・スタートアップ、に関する万博での取り組みを一過性のものとせず、関西の成長産業に育てていくことが求められる。「食」に関する取り組みについては、地方創生の観点からも注目される。万博閉幕後の万博跡地の活用や IR を含む夢洲のまちづくりについては、①夢洲で使われたお金が大阪・関西に還元されるまちづくり、②夢洲だけでなく、関西の他の地域を巻き込んだ観光の促進、という視点が求められる。東京一極集中が進むなか、わが国における関西経済の相対的な位置付けは低下が続いてきた。大阪で開かれる2回目の万博が大阪・関西の成長産業の育成につながり、大阪・関西経済の浮上のきっかけとなることを期待したい。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)