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リサーチ・フォーカス No.2024-056

インバウンド需要は今後も拡大へ ー「量から質」へ、求められる構造的な課題への対処ー

2024年12月19日 後藤俊平


わが国のインバウンド需要は急回復を遂げている。足元にかけて、訪日外客数はコロナ禍前を上回って既往最高を更新し、盛り上がる訪日客消費が国内の関連市場の追い風となっている。

訪日客の動きを国別にみると、アジア諸国や欧米諸国からの旅行者が大きく増加しており、全体を押し上げている。一方、中国人観光客の回復は道半ばである。この背景には、中国景気の低迷を受けて中国人の旅行需要が弱いことや、観光ビザの所得要件が厳しいことなどが挙げられる。

今や数兆円規模に拡大したインバウンド需要の経済効果は、わが国経済をけん引する成長ドライバーの1つである。訪日外国人の旺盛な需要が、国内の関連サービス分野の経済活動を押し上げている。

先行きも、わが国のインバウンド需要は引き続き拡大すると予想する。高成長が見込まれるアジア新興国での海外旅行需要の高まりにより、訪日需要は長期的にも一段と拡大する潜在力がある。また、為替が引き続き円安圏で推移するとみられることも、訪日需要の下支えとなろう。ただし、中国景気の一段の減速や日韓関係の悪化による訪日客数の下振れなどのイベントリスクには注意を要する。

人手不足やオーバーツーリズムなど、観光産業の持続的な発展に向けて解決すべき課題も多い。しかるべきルールや仕組みづくりに向けて、国や地方自治体、地域社会、観光事業者が一体となって取り組んでいくことが求められる。


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