① 経営環境(金利環境)の変化を踏まえたリスクの検証 わが国が「金利ある世界」に回帰するなか、金利リスクに対する脆弱性を精査する必要あり。とりわけ、満期保有目的債券の比率が高い金融機関では、リスクが見えにくくなっているため、金融当局としては、金融機関毎のバランスシートやリスク管理の実態を詳細に検証することが重要。
② デジタル・バンクランを含めた構造的な資金移動(流動性リスク)への対応 デジタルバンキングサービスの普及、ネットバンクの台頭により、預金の移動が迅速かつ容易になっているほか、ネット証券やキャッシュレス事業者など、銀行以外の業態への資金移動も進展。地域金融機関では、高齢化や人口減少に伴う預金流出のリスクも懸念されるなど、構造的な預金減少リスクに留意する必要。
③ 金融規制・監督に関する国際協調の重要性の再確認 前年の銀行不安を受けて、国際機関は、金融監督機能の強化を提起しているが、その実効性を高めるためには国際協調が不可欠。米国の政権交代により、国際協調の機運が低下する恐れがあるなか、本邦金融当局として、金融規制・監督の国際協調の重要性を強調し、適切な方向へ議論を導く必要あり。