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リサーチ・アイ No.2024-064

本年8月の本邦金融市場の混乱が示す金融資本市場の脆弱性 ~ 経済政策の予見可能性の低下が金融ショックの火種に ~

2024年10月30日 谷口栄治


国際通貨基金(IMF)は、本年10月に公表したGlobal Financial Stability Reportのなかで、足元の金融システムのリスクについて、主要国における金融緩和姿勢への転換等によって、短期的に抑制されていると評価。

一方、今後のリスクファクターとして、政策の不確実性と金融市場動向の乖離を指摘。経済政策不確実指数(EPU)は、株価のボラティリティ(VIX指数等)対比高水準で推移しており、潜在的なリスクが、株価等の資産価格に十分反映されていない可能性を示唆。こうした乖離が市場参加者に意識されれば、市場が一気に不安定化する恐れあり。

このようなリスクが顕在化したのが、本年8月初の急激な円高進行や本邦株価の乱高下。この背景には、米経済のハードランディング懸念や日銀のサプライズ気味の政策変更等を受けて、海外投資家の円キャリー取引が急速に巻き戻された経緯が存在。上記の市場混乱は、大きな経済ショックがなくとも、予想外の経済政策が採られれば、市場のボラティリティが急激に高まるリスクがあることを示すもの。

世界各地で地政学リスクが高まるなか、金融当局や金融機関としては、財政・金融政策の不確実性が、金融資本市場の混乱を引き起こすリスクを認識・注視するとともに、国際会議等において、政策の予見可能性を高める動きを促していく必要あり。


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