コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

リサーチ・フォーカス No.2024-031

バイデン政権下における金融行政と党派間の意見対立を踏まえた今後の展望

2024年09月11日 谷口栄治


米大統領選、議会選が近づくなか、民主党と共和党の政策スタンスの違いが鮮明に。とりわけ、金融行政では、銀行規制やデジタル金融に対する政策に違いあり。

銀行規制では、バイデン政権下でバーゼルⅢ最終化や2023 年の米地銀の連鎖破綻を受けた規制・監督強化の議論が進展。民主党(ハリス陣営)が勝利すれば、こうした規制強化的な姿勢が堅持される一方、共和党(トランプ陣営)が勝利すれば、バーゼルⅢ最終化案の撤回をはじめ、銀行に対する規制は緩和される方向。

暗号資産関連では、バイデン政権下において、事業者の経営破綻が相次ぎ、市場が混乱するなか、証券取引委員会(SEC)を中心に事業者に対する締め付けを強化。一方、暗号資産現物ETF の解禁など、市場拡大に向けた前向きな動きも存在。トランプ氏は、政策綱領のなかで、暗号資産ビジネスを成長産業と位置づけ、民主党政権下での厳格な政策スタンスを大きく転換する方針を表明。

両党、両候補の金融行政に対する政策姿勢に大きな隔たりが存在するなか、本邦金融機関や金融当局として、以下の2点に留意する必要あり。
① 国際的な金融規制改革への影響
米国は金融市場や金融ビジネスにおける世界の中心であり、国際金融規制改革における影響力は絶大。とりわけ、規制緩和を主張する共和党政権では、バーゼルⅢ最終化規制が大幅に緩和され、邦銀が相対的に厳しい規制環境下に置かれるリスクも。両陣営の選挙戦中の言動や、選挙後の金融当局の人事などを注視し、今後の国際的な金融規制改革の議論に備える必要あり。

② 党派対立の長期化に伴う混乱への備え
米国における党派間の意見対立は、金融規制改革のほかにも、通商政策やエネルギー政策等、多岐に存在。米国の党派対立によって、金融市場や企業のビジネス環境が混乱するリスクがあることを念頭に、戦略を検討していく必要あり。

わが国金融セクターとして、国際金融規制改革や米国ビジネス強化の観点から、新政権の金融当局関係者と情報交換等を密にするなど関係強化を進め、ビジネス環境の改善に努めていくことが不可欠。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ