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リサーチ・アイ No.2024-044

訪日消費を押し上げる消費税免税制度 ― 一方で、不正利用排除に向けて求められる見直し ―

2024年08月27日 後藤俊平


わが国では、外国人旅行者を対象とした免税販売市場が拡大。消費税免税制度は、税務署の許可を受けた販売場において、非居住者が国外へ持ち出す目的で物品を購入する際に、売り手が消費税を免除して販売できる制度。わが国では、2014年以降、訪日客の消費拡大に向けた施策の一環として、対象品目の拡大や最低購入金額の引き下げなど、段階的な制度拡充を実施。

こうした措置を受けて、訪日客の免税消費額は堅調に増加。試算では、訪日外国人による免税物品購入額は、足元で1兆円(年換算額)を上回る規模に。内訳をみると、とりわけ中国や台湾、韓国など近隣アジア諸国からの旅行者による利用が多くを占めており、化粧品や香水、革製品などの高級品の消費を押し上げ。日本百貨店協会によれば、百貨店の免税売上高は2024年1~7月期に3,978億円と、2014年同期(330億円)から12倍近くに拡大。

免税販売の拡大は訪日消費額の押し上げに寄与してきた一方、不正利用が問題に。本制度では、旅行者が購入物品を国外に持ち出すことを前提としているものの、実態として日本国内での転売が増加。この結果、事業者の側では、消費税の不正還付事案が2012年度以降増加しており、2022年度の不正還付に係る追徴税額は例年を上回る高水準に。消費税負担の公正性・公平性を確保する観点から、諸外国で採用されている「リファンド方式」(購入時ではなく出国時に現物を確認してから税還付)の導入など、問題解決に向けた制度の早期見直しが必要。


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