リサーチ・アイ No.2024-041
定期便の再開を受け、中国人観光客の回復が本格化ー 中国人割合が高い地域のインバウンド需要回復を後押し ー
2024年08月15日 中野萌希
わが国のインバウンド需要は堅調に回復。2024年6月の外国人延べ宿泊者数は2019年に比べ3割増と、コロナ禍を大きく上回る水準へ増加。一方、中国人観光客の戻りは全体に比して遅れがみられる状況。中国人延べ宿泊者数は本年6月にようやくコロナ禍前並みの水準に到達。
中国人観光客の動向は、地域ごとのインバウンド需要の回復度合いに大きく影響。コロナ禍以前に中国人観光客の割合が高かった地域では、インバウンド需要回復の勢いが弱い傾向。
先行きを展望すると、昨年冬の段階でコロナ禍前の5割を下回る便数にとどまっていた日中間の国際定期便は、今夏に8割強の水準まで回復。中国との国際定期便の再開を受け、これまで回復が遅れていた地域でも中国人観光客の回復が加速すると予想。
ただし、中国景気の悪化に注意が必要。中国の消費者マインドは2022年初めに大きく悪化して以降、落ち込んだ状態が持続。中国人が海外旅行に慎重となった場合、中国人依存度が高い地域のインバウンド需要回復は引き続き期待を下回る恐れも。
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