国際金融都市ランキングは、各都市をわかりやすく比較できる指標として注目度が高く、なかでも、Z/YEN Group の「国際金融センター指数」、City of Londonの「競争力スコア」が主要ランキングとして存在。わが国でも、森記念財団の都市戦略研究所が、「世界の都市総合力ランキング-金融センター」を公表。
一方で、こうしたランキングには、正確性への批判も存在。実際、一部の主要都市の順位に大きなバラつき。原因として、国際金融都市の定義が不明確であることなどのほか、ランキング算出に利用する指標(データ)面の問題が複数存在。 ① 参照できる定量データの限界:国ベースしかない、ビジネスの実態を十分に反映せず、継続的にトラッキング出来ない、アクセスが困難といった制約あり。 ② 定性データの信頼性・正確性の欠如:質問票が一般公開され、属性情報(居住地等)が正確でないケースも。SNSでの投票呼び掛けもあり、恣意性が排除できず。 ③ スコアリング手法が不明瞭:国際金融都市ランキングにおけるスコアは、各公表組織が独自の方法で算出しているが、その算出方法はブラックボックス。