リサーチ・アイ No.2024-025 インバウンド需要は今後も拡大へ ―新興国での旅行需要の高まりや政策面からの後押しが押し上げ要因に― 2024年06月13日 後藤俊平インバウンド需要は好調。2024年入り後の訪日外客数はコロナ禍前を上回る水準で推移。既往の円安を背景に訪日客1人当たりの消費単価も増加しており、インバウンド消費額は足元で2019年の1.5倍超に拡大。先行きのインバウンド需要も拡大が続く見通し。当面は、回復が遅れている中国人観光客の復調がけん引役となるほか、中長期的には、以下の2点が押し上げ要因に。第1に、高成長が見込まれる新興国の海外旅行需要の高まり。所得水準が高くなるほど、海外旅行に出かける出国者が増加する傾向。わが国から比較的近距離にあるアジア諸国の多くで所得水準が高まる余地が大きく、潜在的な訪日旅行需要は大。第2に、政策面からの後押し。近年、政府はビザの免除・要件緩和など訪日旅行の容易化に向けた取り組みを推進。2023年3月に策定された「観光立国推進基本計画」でも、ビザの免除・要件緩和の積極的な実施などが今後の方針として掲げられており、こうした措置の拡充が訪日客増加の追い風に。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)