2024年6月6日
各位
国立大学法人京都大学
株式会社三井住友フィナンシャルグループ
株式会社日本総合研究所
「SMBC京大スタジオ」開設について
国立大学法人京都大学(総長:湊 長博、以下「京都大学」)、株式会社三井住友フィナンシャルグループ(執行役社長グループCEO:中島 達、以下、当社グループを総称して「SMBCグループ」)、株式会社日本総合研究所(代表取締役社長:谷崎 勝教、以下「日本総研」)は、京都大学内に「SMBC京大スタジオ」を開設することで合意しました。SMBC京大スタジオは、自由の学風の下、独創的な研究を行う総合大学と産業界のハブとなるグローバル金融グループが連携することで、地球社会の調和ある共存と幸せな成長の実現に向けて、従来の産学連携の枠組みを超えた、社会的価値を創造する“工房”となることを目指します。
1. 背景
これまで世界的に経済活動が優先されてきた結果として、近年、環境問題や人権、貧困・格差等の社会課題が顕在化し、また拡大、深刻化しています。
京都大学は、学問の源流を開拓する基礎研究を重視し、自由の学風の下、先端的かつ独創的な研究を推進し、社会に開かれた大学として、地球社会の調和ある共存に貢献することを目標に、イノベーションの創出と社会貢献を積極的に進めています。また、SMBCグループは、三井や住友が長きに亘り脈々と受け継いできた社会的価値の創造を目指す事業の精神を、グループの経営理念に反映しており、経済の成長とともに社会課題が解決に向かい、そこに生きる人々が幸福を感じられるような幸せな成長の実現に貢献するため、社会課題の解決に向けた活動に取り組んでいます。
京都大学とSMBCグループは、こうした両者の取組を融合し、イノベーションの創出、社会的価値創造を推進する新たなプラットフォームとしてSMBC京大スタジオを開設することとしました。
2. SMBC京大スタジオの概要
SMBC京大スタジオでは、①社会課題解決に向けた事業創出、②社会課題解決に取り組む人材の輩出、③社会的価値創造による好循環の実現を目指してまいります。
SMBCグループからの出向者を受け入れ、京都大学とSMBCグループで社会課題を起点とした研究テーマを設定し、さまざまな分野における京都大学の研究者とSMBCグループのシンクタンクである日本総研の研究員が学際的な共同研究を行います。また、研究に留まらず事業の立ち上げや、日本、アジアそしてグローバルに発信する等、積極的な取組を進め、社会実装、社会変革につながるムーブメントを生み出すことを目指します。こうした取組を中長期的に行うため、SMBCグループでは、10年間で15億円程度の資金拠出を行っていく予定です。
<研究テーマ>
研究テーマの選定においては、SMBCグループが主体的に取り組むべき重点課題として定めた5つのマテリアリティ(「環境」「DE&I・人権」「貧困・格差」「少子高齢化」「日本の再成長」)を踏まえ、京都大学が確立した「京大AGORA方式」(※1)を援用し、複数の研究者・事業者の視点を活かしながら、国内外の社会課題について幅広く検討します。当初は、以下3点を研究テーマとする予定です。
(1)「DE&I・人権」:発達障がい特性のある人材の就労における能力発揮の支援
(2)「貧困・格差」:貧困・格差、虐待の連鎖を乗り越える教育アプローチの研究開発と普及
(3)「少子高齢化」:誰もが生前・死後の尊厳を保つための「身じまい」「意思決定」のあり方
また、今後は、学生や若手研究者向けにテーマの公募を行い、将来の研究者やアントレプレナー人材の育成に取り組むことも検討してまいります。
<共創の場の立ち上げ>
SMBC京大スタジオの活動では、研究成果を社会に、また、社会の声を研究にそれぞれ還元することで、事業化を見据えた研究を促進し、共創の場でさまざまなステークホルダーとの建設的な対話も行っていきます。日本総研は、2023年度に京都大学等と設立した「カーボンサイクルイノベーションコンソーシアム」(※2)の活動をはじめ、産官学連携の共創の場づくりに取り組んでいます。こうした異分野を融合させた共創の場の立ち上げと運営に関する日本総研のノウハウを活かし、研究成果の社会実装を推進してまいります。
(※1)テーマごとに、複数の多様なバックグラウンドを持つ研究者、事業者が発表、議論する場を設けること。
(※2)カーボンニュートラルの実現を目指し2023年9月に設立した、製造業や建設業等の民間企業、地方公共団体が参画するコンソーシアム。
プレスリリース「カーボンニュートラルの実現を目指す連携協定を締結~大学×シンクタンクで、課題解決に必要な産官学の好循環を機動的に創出~」(2023年9月13日京都大学、日本総研、京大オリジナル株式会社)ご参照。
https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/inline-files/hihon-soken-press-release-d9e9e942cd01e9d81c9fa7877ae9c3a9.pdf
【本件に関するお問い合わせ先】
日本総合研究所 広報部 金井 080-3437-9449