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リサーチ・アイ No.2024-015

一段の円安なら日銀は大幅追加利上げも ―経験的に見て170円/ドルの円安で+0.5%の利上げ圧力―

2024年05月21日 後藤俊平


為替相場は円安基調で推移。米国の金利上昇や日銀による金融緩和の長期化観測などを背景に、ドル円相場は4月末に一時160円台と1990年4月以来の円安水準に。その後、政府・日銀による為替介入とみられる動きなどを受けて円高に振れる場面もみられたものの、足元では155円前後で推移。

円安が再び加速した場合、インフレ圧力が強まり、家計の所得環境を悪化させる公算大。試算では、仮に160~170円/ドルでの推移が続いた場合、消費者物価指数(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)は+0.2~0.4%ポイント上振れ。これにより、今夏に実現する見通しの実質賃金のプラス転化は来年度以降に後ずれする可能性。賃金・物価の好循環が遠のくかたちに。

円安によるコストプッシュインフレの定着を回避するため、日銀は追加利上げが検討課題に。植田日銀総裁は為替が物価に及ぼす影響は大きくなっており、物価見通しが上振れる場合、早めに金利を動かす必要性に言及。政策金利が伸縮的であった1980~90年代半ばには、消費者物価1%ポイントの上振れに対し、日銀は政策金利を1.2%ポイント引き上げ。これを今次局面に当てはめると、160~170円/ドルで推移した場合、今年末までに+0.25~0.5%ポイントの追加利上げが実施される計算。


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