コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

リサーチ・フォーカス No.2024-007

先進国の脱石炭火力発電に豪州の石炭業界はどう対応するのか

2024年05月15日 熊谷章太郎


2024 年4月末、G7は 2030 年代前半を目途に石炭火力発電を段階的に廃止することで合意した。先進国の脱石炭火力発電の影響を特に大きく受ける豪州の石炭業界は、以下の2つの対応を加速すると見込まれる。

第1に、石炭事業の再編である。多くの石炭企業は、発電用一般炭の事業を縮小し、鉄鋼業で用いられる原料炭の事業に注力すると見込まれる。事業再編時に買い手として一般炭の生産能力を獲得する企業は、当面石炭需要が底堅く推移する新興国向け輸出を強化することで先進国の需要減少への対応を図るだろう。

第2に、石炭以外の事業の強化である。各社は事業の持続的な発展に向けて、EVや太陽光・風力発電の導入拡大に伴い需要が増加する銅、ニッケル、マンガン、黒鉛などの事業を強化しようとしている。また、今後は将来閉鎖が見込まれる石炭鉱区を再生可能エネルギーによる発電拠点や水素やCCS(二酸化炭素の回収・貯留)といった新技術の実証実験地に転用する動きも活発化すると見込まれる。

豪州の石炭業界の対応は各国の石炭業界だけでなく、世界のエネルギー・貿易にも影響を与えると見られ、今後も動向を注視していく必要がある。

(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ