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リサーチ・アイ No.2024-004

為替需給面の変化が円高進行を抑制 ― 経常収支が黒字でも円高圧力を生みにくい構造に―

2024年04月11日 立石宗一郎


ドル円相場は、本年入り以降、円安基調で推移。日銀は、3月の政策決定会合でマイナス金利を解除したものの、市場では緩和的な金融環境が続くとの見方が根強く、むしろ円安が進行。今後、米FRBの利下げによる日米金利差の縮小がドル安・円高圧力を強めるとみられるものの、以下3つの為替需給要因が円高進行ペースを抑制する可能性。

第1に、再投資収益割合の増加。わが国の経常収支は本来、円高要因である黒字基調で推移しているものの、その大部分は海外からの利息や配当による第一次所得収支の大幅な黒字によるもの。この黒字額の3割程度を占める再投資収益は、外貨のままで円転されず、再投資される傾向。再投資収益を除くと、足元の黒字額は大きく縮小。

第2に、財・サービス収支の赤字。主要産油国の減産や中東での地政学的リスクの高まりを背景に、原油価格は高値圏にとどまるとみられ、円安要因であるドル決済の貿易赤字が長期化する公算。また、コロナ禍を契機にデジタル化が進展し、海外企業への支払いが増加している点もサービス収支の赤字を押し上げ。

第3に、新NISA開始を受けた海外への資金流出の増加。1月以降、投資信託委託会社等による対外証券投資は、1兆円程度の買い越しと、旧NISAが開始された2014年以降の平均を大きく上回る水準であり、円売りニーズが強い状況。

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