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リサーチ・フォーカス No.2023-053

多死社会で増加する相続をめぐる課題 ― 家族・社会の変化を踏まえた対応を ―

2024年03月25日 下田裕介


人口減少が進むわが国では、出生数の減少による少子化の一方で、死亡者数が過去最多を記録する「多死化」も進行。足元では、高齢者のうち75 歳以上の割合が上昇しており、今後も多死化が進む見通し。

多死化が進む「多死社会」においては、相続が増加。今後のわが国全体でみた年間の相続資産額を試算したところ、足元の約46 兆円から、2030 年には48.8 兆円、2035 年には50.4 兆円、2040 年には51.0 兆円と拡大する見込み。

一方、社会的な価値観とともに親子や家庭のあり方も変化しており、親と同居しない子どもや、子どもを持たない、一人住まいの高齢者も増加。今後の多死社会において、金融機関や政府自治体は、相続に関する以下の課題へ対応が必要。

① 相続資産の地方から三大都市圏への移転増加
今後は、親が地方、子が都市部に住む場合など、相続資産(動産)が地方から都市圏へと移転するケースが増加する見込み。被相続人の親と取引のある地方銀行と、相続人の子と取引のある都市銀行が連携するなどして、親と子のセットで、遺言代用信託をはじめとする金融サービスを提供する視点が重要。

② 相続した家屋・土地の放置による空き家の増加
同様に、親子が別居のケースでは、相続した家屋や土地などの不動産が利用されず、地方を中心に空き家が増加する可能性大。空き家抑制に向けては、金融機関と自治体の連携を通じた、リバースモーゲージ型の住宅ローンの取り組み拡大や、官民連携による空き家バンク拡充による売買マッチング最適化、政府による相続土地国庫帰属制度の使いやすさ改善、などに取り組むことが重要。

③ 遺贈寄付への関心拡大
相続人の不在や社会貢献意識の高まりを背景に、遺贈寄付への関心が高まる一方、手続きや使い道についての不安あり。手続き面では、金融機関が、遺贈寄付に係る支援の窓口となる団体や自治体とのネットワークを拡大し、顧客への情報提供の充実などに取り組むのも一案。また、使い道については、寄付先団体の透明性確保に向けて、認証制度などの情報を金融機関や支援団体が積極的に提供することが重要。


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