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リサーチ・フォーカス No.2023-050

中小企業の脱炭素に向けた地方銀行の役割

2024年02月29日 大嶋秀雄


近年、中小企業にも脱炭素に向けた取り組みが求められるようになっているものの、多くの中小企業は気候変動問題の理解不足や人材・ノウハウ等の制約から具体的な対応に踏み切れていない。対応が遅れた場合、脱炭素を進める大手企業との取引減少等で将来的にビジネス継続が困難化する恐れも。

こうしたなか、産業を問わず多くの中小企業と取引があり、企業経営者との距離も近い地方銀行に対して支援者としての役割が期待。地方銀行にとっても気候関連リスクの低減や新たなビジネス機会に。

実際、気候変動問題に取り組む地方銀行が増えており、すでに大半の地方銀行は気候関連情報開示の枠組みであるTCFDに基づく情報開示を実施。もっとも、具体的な内容をみると、メガバンクに比べて遅れが目立ち、地方銀行は取り組みを加速させる必要。

地方銀行には、中小企業における脱炭素の推進に向けて、次の3つの取り組みが求められる。
①広範な中小企業へのアプローチ
わが国全体の脱炭素実現にはあらゆる企業における取り組みが不可欠。地方銀行には広範な企業にアプローチして対応を促すことが求められる。とくに、「経営に影響がない」と考えている企業等は自発的に動かないため、地方銀行が能動的にアプローチすることが重要。

②対話(エンゲージメント)等を通じた課題の明確化
多くの中小企業は気候変動問題の影響を把握できておらず、対話を通じて企業の気候変動問題への理解を深めるとともに、ビジネス環境の分析等を後押しして、各企業が直面している課題を明確化。

③多様な支援を提供できる体制の構築
各企業が抱える様々な課題の解決には多様な支援の提供が必要。とくに今後は排出削減や気候関連ビジネス創出に向けた具体的なソリューションの提供が重要に。もっとも、単独であらゆる支援を行うことは困難。他社との連携も推進し、ワンストップで多様な支援が提供可能な体制を構築。


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