コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

JRIレビュー Vol.1,No.112

関西経済見通し

2023年12月26日 西浦瑞穂


関西経済は、足元で景気回復の動きに足踏み感がみられる。

企業部門では、IT関連需要の底入れなどを背景にアジアNIEs向けや中国向け輸出に下げ止まりの動きがみられる。これに伴い鉱工業生産にも底打ちの兆しがある。ただし、海外経済の減速が続くため、輸出は伸び悩む見込みである。

関西企業は良好な利益水準のもと、積極的な投資姿勢を維持している。デジタル化や脱炭素、省力化などの投資需要も下支えとなり、設備投資は底堅く推移する見通しである。

家計部門では、人手不足を主因とした名目賃金の伸びの拡大と、原材料高や円安の落ち着きによる消費者物価の騰勢鈍化により、実質賃金が好転すると予想される。所得環境の改善を受け、個人消費は緩やかに回復する見通しである。

公共投資は、万博関連需要が押し上げに寄与する見込みである。

以上を踏まえると、関西の実質経済成長率は、2023年度の+1.3%に続き、2024年度+1.1%、2025年度+1.0%と、緩やかな回復が続くと予想される。2025年度は、公共投資の反動減はあるものの、万博開催による観光需要の盛り上がりが下支えに寄与する見通しである。

今後の関西経済の注目点として、2点を挙げておきたい。一つ目は、インバウンド需要における「食」への支出である。「食」に着目すると関西は依然として拡大の余地が大きく、この先インバウンド需要を地域経済成長の核とし、かつ、少子高齢化による国内外食需要の減少を補うためには「食」の分野を大きく伸ばすことが必要となる。二つ目は、新規オフィスビルの供給である。先行き、都心再開発などで高水準の供給が予定されており、良質なオフィスビルの供給が大阪、関西での事業所立地を促すと期待される。

(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ