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ビューポイント No.2023-018

COP28 の成果と今後の課題 ~求められる削減目標引き上げと具体策の加速~

2023年12月15日 大嶋秀雄


本年11~12月、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにて国連気候変動枠組条約第28回締約国会合(COP28)が開催され、最終合意文書「UAEコンセンサス」が全会一致で採択された。

具体的な成果としては、世界全体の気候変動問題への取り組み状況を評価するグローバル・ストックテイクの結果が示されたほか、「損失と損害」基金の新設が決定。最終合意文書では、2030年までに再生可能エネルギー容量を3倍、エネルギー効率を2倍にする目標の設定や、化石燃料からの脱却の加速に言及。

一方、「損失と損害」基金の拠出金は約8億ドルにとどまり、適応や緩和を含めた発展途上国向けの資金支援も大きな進展はなし。また、最終合意文書では、石炭火力発電について削減時期などの踏み込んだ言及は行われず。

COP28の成果や残された課題を踏まえると、今後、わが国を含む各国には次の取り組みが求められる。
①発展途上国に対する多面的な支援の強化
地球温暖化に起因する災害等は年々深刻化しており、気候変動に脆弱な発展途上国に対する支援強化は喫緊の課題。資金面だけでなく、防災技術や人材育成等を含めた多面的な支援が必要。

②排出削減目標引き上げと具体的な取り組み加速
現在の各国目標ではパリ協定の目標達成は困難であり、グローバル・ストックテイクを踏まえた排出削減目標の引き上げが必要。また、足元の排出削減は遅れが目立ち、目標達成に向けて、再エネの拡大や化石燃料の削減等の具体的な取り組みを加速。

③多様なアプローチの許容
今後、気候変動対策の議論は具体策にシフトするものの、具体策での国際合意はハードル高。各国は有志国連合による国際連携を活用しつつ、各国に適した脱炭素アプローチを模索する必要。また、多様なアプローチを許容する場合、各国の取り組みを個別に評価・検証する仕組みの創設も必要。

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