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リサーチ・アイ No.2023-050

資金循環統計にみる「貯蓄から投資へ」の兆し ~ 「資産運用立国」に向けて求められる運用力の強化 ~

2023年10月18日 内村佳奈子


9月20日に公表された資金循環統計によると、2023年6月末の家計の金融資産残高は、2,115兆円と3四半期連続で過去最高額を更新。

内訳をみると、家計金融資産に占める現預金比率は50%台近傍での推移が続いており、現預金偏重の構造は変わらず。項目別の資金流出入の状況をみると、足元ではインフレ傾向がみられるものの、長期的に低インフレが続いてきたなかで、現預金へ資金流入を行う構図は継続。

一方、足元では変化の兆しも。項目別の残高増減(前年比)は、現預金残高が+1.4%であるのに対して、株式+投資信託は+23.1%と大幅に増加。結果として、家計金融資産に占める株式+投資信託の残高の割合は、2023年6月末で17.4%と、2000年以降で最高に。

株式と投資信託の2019年初以降の残高変動要因をみれば、株式は、株価上昇による時価変動のみで説明できる一方、投資信託は資金の純流入も大きく寄与。この間の一般、つみたて双方のNISA口座における買付額(14.4兆円)は、投資信託への純流入額(13.1兆円)を上回っており、NISA制度が家計による投資信託の購入を促している効果を確認可能。

2024年からは、投資枠の拡大や非課税期間の恒久化など、大きく拡充された新NISAも開始されることから、投資信託への資金流入がさらに加速する可能性。動き出した投資への資金フローを一層強化するためにも、年末に取り纏められる予定の「資産運用立国」に向けた政策パッケージを通じた、資産運用会社の運用力、商品開発力の向上に期待。

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