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リサーチ・アイ No.2023-037

関西のインバウンド需要拡大に向けた課題 ― 大阪・京都以外への分散・周遊が鍵に ―

2023年09月01日 西浦瑞穂


関西への訪日外国人旅行者数が順調に回復するなか、8月に中国政府が日本への団体旅行を解禁。先行き、回復が遅れていた中国人観光客の増加が期待される状況。インバウンド需要の急速な回復で指摘されるオーバーツーリズムといった負の側面に配慮する必要はあるものの、「観光産業が生み出す付加価値がGDPに占める割合」を先進各国と比べると、関西の観光産業はなお拡大余地あり。

オーバーツーリズムを回避するためには、外国人旅行者の訪問先の分散や周遊が不可欠。コロナ禍前の状況を確認すると、訪日外国人の関西での訪問先は京都と大阪に集中。また、訪日外国人の関西での移動も大阪・京都間が極めて多く、他県は外国人旅行者を十分に取り込めていない状況。

関西域内で訪日客の分散・周遊を促すためには、訪れたくなる地域の観光コンテンツを、訴求力のある手段で伝えることが重要に。訪日外国人の旅行情報源はSNSや個人のブログ、知人などが上位に挙げられており、SNSでの情報提供や、情報発信力のある人・媒体の活用が効果的。例えば、そうした人や媒体を対象とした視察旅行の実施も一案。今後の回復が見込まれる中国人については、旅行会社のホームページやパンフレットといった旅行会社経由の情報が役立ったとの回答比率が全体平均よりも高く、現地旅行会社へのアプローチも検討に値。なお、訪日プロモーションは費用対効果を正確に計測することが難しく、公的財源の投入には活動の透明性への配慮、戦略的な意義の明確化などが求められる。

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