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リサーチ・アイ No.2023-035

金利上昇による設備投資の下押し影響は低下~下押し幅はバブル崩壊前の4分の1程度に~

2023年08月28日 後藤俊平


わが国の長期金利は上昇。日銀による長短金利操作(YCC)の運用柔軟化に伴い、10年国債利回りは足元で0.6%超と、9年ぶりの高水準に。市場参加者は、今後も長期金利が緩やかに上昇し、2025年には1%程度まで上昇すると予想。

金利上昇は企業の借入コストを押し上げるものの、設備投資の下押し影響は過去対比で限定的となる見込み。試算では、借入コストが1%増加した場合、設備投資を▲0.5%下押し。下押し幅は、バブル崩壊前の4分の1程度に。設備投資の金利感応度が低下している要因として、以下の2点が指摘可能。

第1に、借入依存度の低下。わが国では1990年代後半の金融危機以降、企業が金融機関などからの借入を抑制する一方、資産サイドでは現預金を積み上げ、内部留保が増大。この結果、借入金利が上昇しても資金調達コスト増加が抑制される構造に。

第2に、情報化投資の拡大。デジタル化の進展などを背景に、IT機器やソフトウェアなど技術の陳腐化が速い資産の投資が増加したことで、資本ストックの減耗率は上昇。これにより、景気や金利の変動に影響を受けにくい更新投資の需要が増加。


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