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リサーチ・アイ No.2023-032

政府支援で盛り上がる米国の工場建設― 労働需要の増加を通じたインフレ長期化リスクに注意 ―

2023年08月04日 栂野裕貴


米国では、工場建設が急増。製造業による構築物投資は昨年半ば以降増勢が加速しており、足元でコロナ前を4割上回る水準まで増加。背景として、以下の2点が指摘可能。

第1に、バイデン政権の産業政策。昨夏には、半導体の生産能力増強を目的とするCHIPS・科学法や、気候変動対策を目的とするインフレ抑制法が成立。これにより、4,000億ドルを超える政府支援が中長期的に実施される見込み。こうした補助金給付や税額控除は民間投資の呼び水となっており、法案成立から8ヵ月で2,000億ドルを超える民間投資計画が公表。

第2に、安定したエネルギー調達環境。2010年代のシェール革命により原油・ガス開発が本格化したことで、米国のエネルギー自給率は足元で100%を超え、エネルギー純輸出国に転換。これにより、米国の産業用電気・ガス料金は日本や欧州の主要国と比べて安価であり、海外企業が米国内に生産・開発拠点を構える一因に。

こうした工場建設の増加は景気を押し上げる一方、関連産業の労働需要を誘発することで賃金面からのインフレ圧力を高めるリスクがあり、要注意。足元の製造業や建設業の労働需要はすでにコロナ前を相当程度上回る水準。

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