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リサーチ・フォーカス No.2023-019

ユーロ圏の高インフレは長期化へ ― 根強い賃金上昇圧力がサービス価格を押し上げ ―

2023年08月02日 松田健太郎


ユーロ圏では、インフレ率が高止まりしている。なかでも、サービス価格は高めの伸びを維持しており、これが高インフレの沈静化を遅らせている。サービス価格の上昇には、賃金上昇が影響している。

ユーロ圏で賃金上昇圧力が強い背景には、①労働需給のひっ迫、②ストライキによる賃上げ要求、③最低賃金の引き上げなど政府による施策、が挙げられる。こうした賃金上昇を、企業は積極的に価格転嫁する姿勢を強めており、賃金と物価が相乗的に上昇している。

先行きも、賃金の騰勢が持続することでユーロ圏の高インフレは長期化すると考えられる。2024年末のコアインフレ率は2%台後半との予想が多いが、過去2年間の実質賃金の落ち込みから挽回を目指す賃上げ要求が広がれば、3%台半ばへと上振れる可能性がある。

高インフレの長期化により2024年もECBは引き締め的な金融政策をとらざるをえず、銀行の貸出態度の厳格化を通じた景気下押し圧力が強まるほか、商業不動産の価格調整などを起点とした金融システム不安が再燃するリスクが高まる点に注意が必要である。


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