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リサーチ・アイ No.2023-015

関西の建設投資の動向 ー需要は旺盛ながら、人手不足がボトルネックにー

2023年05月29日 西浦瑞穂


関西における産業用建築物の着工床面積は2010年度に底打ちし、その後は概ね横這い圏で推移。一方、建設会社の施工能力に対する未消化の工事量を計る指標である手持ち工事月数をみると、関西では2010年代半ばから積み上がり傾向にあり、足元で他地域に比較して高水準に。工期の長い大型工事が増えると、未消化工事が増える筋合いではあるものの、着工ペースが横這いであることを踏まえると、施工能力の拡大が進んでいない可能性大。

着工ペースの回復が進まない要因の一つとして、建設業の人手不足を指摘可能。関西の建設企業を対象とした調査では、人手不足が最大の経営課題に。また、2024年4月からは、これまで猶予されていた残業規制が建設業でも適用されることから、人手不足を補うために残業や休日出勤を増やすことで対応することは困難に。残業規制による労働環境の改善は前向きに捉えるべき動きであるものの、それに伴い人手不足感はさらに強まる恐れ。

このようななか、大阪・京都・神戸を中心に相対的に規模の大きい再開発事業が進行中。加えて、2025年開催の万博のパビリオン建設が今年度から本格化するほか、4月に計画認定された大阪IRが控えるなど、関西圏での建設需要は盛り上がりが見込まれる状況。

建設業における人手不足の解消にあたっては、外国人労働者の活用のほか、DXによる業務の見直しや省力化につながる技術開発への取り組みをさらに進めていくことによる生産性の向上が不可欠。建設業の抱える構造的な問題が投資拡大の重石とならないか、注意して見ていく必要。

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