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リサーチ・アイ No.2023-010

わが国に求められる天然ガスの「脱ロシア」戦略

2023年05月09日 栂野裕貴


米国は5月19日のG7サミットを前に、G7に対露輸出全面禁止を提案。日欧は慎重姿勢ながら、今後、G7とロシアの関係が一段と悪化すれば、ロシアが化石燃料等の輸出を停止する懸念も。各国の主要化石燃料の対露輸入をみると、米英は輸入停止、EUも22年5月策定の脱ロシア戦略に基づき削減が進んでいるものの、わが国の天然ガス輸入はほぼ減少せず。

わが国の天然ガスの対露輸入依存度は約1割で、電力供給の約3%に相当。企業向け電力供給が▲3%減少した場合の経済影響を簡易的に試算すると、製造業を中心に国内生産が年間▲2兆円下振れ。加えて、電力の供給不安は家計の経済活動にも悪影響。

一方、ロシア以外からの天然ガスの調達余地については、昨年来のEUによる天然ガスの囲い込みや足元の中国におけるエネルギー需要の回復等を背景に、天然ガスの国際需給は既に逼迫しており、短期的な追加調達は困難な状況。

したがって、わが国政府は、早急に天然ガスの脱ロシア戦略を策定し、計画的に対露依存度を制御すべき。具体的には、まず、早期実施可能な住宅等への太陽光パネル設置や省エネ設備投資等へのインセンティブを強化したうえで、中期的には、天然ガスの代替調達や風力発電等の導入拡大を進め、エネルギー自給率向上・地政学リスクの回避に努める必要。

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