リサーチ・アイ No.2023-004
2023年夏季賞与の見通し ― ベースアップによる基本給の増加を受け、2年連続の増加に ―
2023年04月14日 北辻宗幹
今夏の賞与を展望すると、民間企業の支給総額は前年比+3.9%の増加となる見込み。内訳をみると、支給労働者数の増加が総額を押し上げたほか、一人当たり支給額は前年比+2.6%と、夏季賞与としては2年連続の増加に。
物価高や人手不足を背景に多くの企業でベースアップが実施されることが主因。今年の春闘(連合による第3回集計結果)での賃上げ率は+3.7%、このうちベースアップは+2.2%と、例年にない高い伸びに。ベースアップによる賞与算定のベースとなる所定内給与(基本給)の増加が今夏の賞与を押し上げる見込み。
ただし、収益環境の違いから、賞与の伸びは製造業よりも非製造業の方が高くなる見込み。経済活動の正常化を背景に非製造業の収益は持ち直している一方、原材料コストの増加などを受け、製造業の収益は減少。
国家公務員の一人当たり賞与は、同+9.6%の増加を予想。昨年の給与法改正で決定された民間企業の賞与回復を踏まえた支給月数の引き上げに加え、昨夏の賞与が一時的な減額調整で下振れた反動により、大幅な増加となる見込み。
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