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リサーチ・アイ No.2022-084

原油価格に上振れリスク ―ロシアとOPECの原油生産低迷で需給ひっ迫へ―

2023年03月06日 松田健太郎


世界の原油需要は、中国のゼロコロナ政策撤廃に伴い先行き着実に回復するとの見方が大勢。米エネルギー情報局(EIA)や国際エネルギー機関(IEA)などの原油需要見通しは年後半にかけて増加。一方、原油供給は、以下2点を背景に停滞する可能性。

第1に、ロシアの減産。ロシアは、3月の日量50万バレルの自主減産を発表。ロシアでは、ウクライナ戦争の長期化を受けて歳出が拡大する一方、ロシアの石油・ガス収入は大幅に減少。ロシア産原油の代表油種であるウラル原油価格は足元で60ドルを割り込み。減産によって原油価格を底上げし、歳入を確保することがロシアの狙い。

第2に、OPECプラスの増産への慎重姿勢。OPECプラスは2022年10月会合で日量200万バレルの減産に転じて以降、原油市場を取り巻く不確実性の高まりなどを理由に需要を見極める方針を維持。次回6月会合で減産幅を縮小することがメインシナリオながら、原油価格を高値圏で維持したい産油国は、安易な増産には踏み切れない状況。

今後、ロシアが減産するとともにOPECが増産を実施しない場合、世界の需給バランスは年後半にかけてコロナ禍からの回復期と同程度の日量200万バレル近い需要超過に。原油価格への上昇圧力が高まる可能性。


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