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リサーチ・アイ No.2022-075

増産が頭打ちとなる米国のシェールオイル ―コスト増加や関連産業の供給制約が新規投資の抑制要因に―

2023年01月31日 松田健太郎


米国では、原油生産が着実に回復。原油生産量は、コロナショック直後に大幅に落ち込んだ後、回復傾向が続き、2022年平均では1,200万バレル弱と2019年平均の9割超の水準まで増加。

もっとも、先行きの原油生産の増加ペースは鈍化する見込み。原油生産の先行指標となる石油リグの稼働数の増加は、2022年秋以降、600基前半で頭打ちとなっており、原油価格の押し上げ圧力となる可能性。この背景として次の2点が指摘可能。

第1に、コストの増大。米シェール企業の投入コストを生産者物価指数でみると、2017年以降の増産局面と比較しても値上がりが顕著。掘削サービスで10%超の伸びが続いているほか、掘削に用いる機械も10%弱で高止まり。こうしたコスト増の結果、シェール企業が設備投資をして大幅増産するのに採算が合う原油価格は、現行水準の80ドル前後を大きく上回る状況。

第2に、開発サポート事業の供給制約。探査や測量など石油・ガス採掘をサポートする企業では、労働需給がひっ迫。企業は労働時間を増やして対応しているものの、雇用者数の不足分を補えず。人手不足は、賃金の上昇を通じたコスト増に加えて、石油・ガス生産の制約要因に。


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