コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

JRIレビュー Vol.1,No.104

アメリカ経済見通し

2022年12月26日 栂野裕貴


足元のアメリカ経済は回復を続けている。コロナ禍からの需要のリバウンドが経済を下支えしているが、エネルギー、部材、労働力などの供給制約が重なっており、高インフレが続いている。インフレ抑制を目的に、FRBは政策金利を急ピッチで引き上げており、景気への下押し圧力が高まっている。

今後、高インフレは沈静化へ向かうと見込む。家賃と賃金の高騰で本格化しているサービス価格の上昇は、2023年末までに落ち着く見通しである。FRBによる積極的な金融引き締めや政府による緊縮的な財政運営が需要を抑制する一方、種々の供給制約が緩和することが背景にある。

この間、景気は軟着陸に向かう見通しである。引き締め的な金融・財政政策が景気を下押しする一方、過剰貯蓄や輸出、設備投資などが下支えとなることで、2023年の経済成長率は1.1%と予想する。インフレ率の低下により利下げが開始されることを受けて、2024年の経済成長率は1.5%へ緩やかに持ち直すとみる。

メインシナリオに対するリスクは、労働供給が回復しない点である。これにより賃金面からのインフレ圧力が緩和せずに、高インフレが長引くことになる。インフレ沈静化を最優先するFRBはさらなる利上げで対応するため、アメリカ経済は深刻な景気後退に陥る可能性が高まる。中長期的には、労働投入量が下振れし、潜在成長率を下押しするおそれがある。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)

経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ