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リサーチ・アイ No.2022-065

ユーロ圏で賃金・物価スパイラル上昇の可能性 ~賃上げ要求の強まりで高インフレは長期化も~

2022年12月22日 後藤俊平


ユーロ圏では、労働需給のひっ迫を背景に賃金が加速。10月の失業率は6.5%と欧州委員会が推計する自然失業率(6.7%)を下回る水準へ低下。労働力不足を経済活動の阻害要因として挙げる企業は3割近くに達し、統計開始以来最高水準。深刻な人手不足を背景に、労使間で妥結された賃金(協約賃金)は前年比+2.9%と上昇。

人手不足に加えて、期待インフレ率の上昇も今後の賃金を押し上げる可能性。家計や市場参加者(5年先5年物インフレスワップ)の期待インフレ率は上昇しており、最近では金融政策目標の2%超え。物価上昇を最低賃金に反映させる動きも広がっており、ユーロ圏の多くの国で、最低賃金が例年以上のペースで上昇。とくに、最低賃金に物価スライドを導入しているベルギーやフランスなどではインフレ率に比肩する高い伸び。

物価上昇を賃金に反映させる動きが本格化すれば、労働コストの高まりを通じて物価が一段と上昇し、賃金と物価がスパイラル的に上昇する恐れ。ユーロ圏主要国では、賃金に労働協約が適用される労働者の比率はOECD平均を上回る高水準。労使間交渉を通じて賃上げ圧力が強まりやすい傾向。足元では、ストライキが各国で頻発しており、賃上げ要求の強まりが高インフレを一段と長期化させるリスクに要注意。


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