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リサーチ・フォーカス No.2022-045

関西ライフサイエンス産業の発展に向けて ― 関西の強みである研究・技術シーズの社会実装を ―

2022年11月11日 若林厚仁


関西経済は長らく緩やかな地盤沈下が続いているが、次世代の経済けん引役としてライフサイエンス産業への期待が高まっている。実際、国内の医薬品や医療用機械製造業が生み出す付加価値額は他の主要産業に引けを取らず、関連企業の納税額も大きい。市場規模も総じて堅調な拡大が見込まれることから、関西経済においても発展が期待される分野である。

関西のライフサイエンス産業では、大阪の大手製薬会社群の存在が大きいが、大学・公的研究機関などのアカデミアにおける研究成果の集積も大きな強みとなっている。医学部数や研究開発費などでは東京・神奈川・つくばを中心とした東京圏には及ばないものの、京都・大阪・神戸を中心に多くの企業・大学・研究機関が集積し、東京圏に次ぐクラスターを形成している。

もっとも、関西は研究成果の集積では世界的にも一定の存在感がある一方で、バイオベンチャーやVCによる投資額といった社会実装の面では、海外のライフサイエンス都市圏と比較して大きく劣後する。経営人材の不足やVC等による投資資金の不足、創業時にM&AなどのEXITが描きにくいことなどが背景にある。関西における経営人材や投資資金などのリソース拡充と関係者が集うコミュニティの整備を進めつつ、海外エコシステムのリソースも積極的に活用することが求められる。

また、京都・大阪・神戸それぞれが相応のライフサイエンスクラスターを形成しているが、各クラスター内で完結する傾向が強く、連携強化による相乗効果の創出も重要となる。2025年の大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」であり、これをブースターとして関西のライフサイエンス産業がさらなる成長を遂げることが期待される。


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