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リサーチ・アイ No.2022-056

2022年の出生数は前年比▲5%で、80万人割れの見通し

2022年11月10日 藤波匠


2022年の出生数(日本人)は、前年比▲5.1%減の77万人前後となる見通し。16年以降、出生数は年率▲3.5%のペースで減少してきたが、22年はそれを上回る減少率となる見込み。 少子化ペースの加速は、20年から21年にかけて、婚姻数が急減したことが寄与したとみられる。

22年の婚姻数は、前年から微減の50.0万組となる見通し。20年、21年の急減からは下げ止まりとなったが、国立社会保障・人口問題研究所がコロナ禍の2021年に実施した出生動向基 本調査(以下、「調査」)によれば、若い世代で「一生結婚するつもりはない」との考えの広がりが認められる。23年以降は、再び婚姻数が低下局面に入ることも懸念される。

たとえ婚姻数の減少を抑制できたとしても、出生数も下げ止まるかは予断を許さない。これまでわが国では、「結婚したら、子どもは持つべき」という考え方が肯定的に受け止められてきたが、今回の調査では、肯定的な考えを持つ独身者が男女とも顕著に減少しており、結婚と子どもを持つことを切り離して考える若者が増えている状況が示唆された。

少子化の進展を懸念せざるを得ない状況であるものの、20、21年は出産期にあたる年齢層の女性が相対的に増加し(若返り)、それがわずかながら出生数押し上げに作用した。これは、出生数が120万人で安定していた1990年代生まれの世代が出産期に差し掛かったためであり、今後10年程度は若返りが続く見通し。この10年が少子化対策の最後のチャンスと捉えるべきである。


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