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リサーチ・アイ No.2022-052

インフレ対策は低所得世帯への支援に重点を ―価格上昇はガソリン以外にも広く波及―

2022年10月24日 白石尚之


政府は今春以降、インフレ対策を強化。対策の柱は、価格抑制政策と低所得世帯支援。主な価格抑制政策として、燃料油価格激変緩和措置(燃料油補助金)が挙げられ、ガソリン価格の高騰を抑えるために石油元売り事業者に補助金を支給。低所得世帯支援として住民税非課税世帯への5万円の給付金支給や、緊急小口資金の貸付などを実施。

政府は燃料油補助金の期限を繰り返し延長。当初の9月末から年末までの延長が決定したことに加えて、現在検討されている総合経済対策で来春まで延長される見通し。これにより補助金の総額も当初の2兆円弱から4兆円程度に膨らむ見通し。過去のインフレ局面の価格抑制策に比べて、今次局面の抑制策は財政負担が大きく、実施期間も長い。

今後の対策は、低所得者支援に的を絞ることが一案。理由は以下2点。第1に、物価高は燃料油だけでなく、幅広い品目に及んでいること。消費者物価のうち9月のガソリン価格の上昇率(前年比7%)を上回る品目は消費支出全体の約17%にのぼるなど、価格上昇に広がり。食料品や耐久財など前年比2桁に達する品目が多数。

第2に、物価高の悪影響は困窮世帯で大きい点。今年度の物価上昇による負担増加額は、所得が最も低い階層で所得対比2.3%と最も高い階層の1.7倍。また、コロナ禍で蓄積した過剰貯蓄は低所得世帯で50万円にとどまり、全世帯平均(80万円)の6割程度と余裕に乏しい状況。


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