コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

リサーチ・アイ No.2022-030

長期化する英国の高インフレ~労働力不足による賃金高騰が背景~

2022年08月01日 栂野裕貴


英国では高インフレが持続する見通し。英国の消費者物価の当社見通しは2022年に前年比8%に達した後、2023年に同6%と米国やユーロ圏と比べて高。英国の高インフレ長期化には、サービス価格と賃金が相乗的に上昇していることが背景。名目賃金の伸びは前年比6%超と強く、サービス価格も前年比5%と労働コスト増加を反映して上昇。

英国の賃金高騰は、次の2点による労働供給の減少が背景。第1に、中高年層がコロナ禍を機に早期退職を選択。若年層(18~49歳)や高齢層(65歳以上)と比べて、50~64歳の労働参加率はコロナが流行してから低迷。同年齢層の25万人強(労働力人口対比0.8%)が労働市場へ復帰していない状況。

第2に、EU離脱に伴うEUからの移民制限。離脱が決定した2016年以降、英国内のEU国籍労働者数は減少に転じ、コロナ流行後、この傾向に拍車。これにより外国人労働力の増勢は全体として鈍化。外国人労働力はトレンド対比で55万人弱(労働力人口対比1.6%)下振れ。

先行き、早期退職者は物価高に伴う生活苦を背景に徐々に復職する可能性。一方、EU離脱に起因する労働力不足は中期的に持続。英国の労働需給は今後もひっ迫する見込み。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ