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リサーチ・フォーカス No.2022-015

物価乱高下で世界経済の停滞も―求められる経済分断の回避と金融政策の透明性―

2022年06月13日 西岡慎一


世界的に高インフレが進んでいる。部材の供給不足や物流網の混乱が続いており、消費財の価格が大きく上昇している。脱炭素やロシア制裁の影響で化石燃料の供給不足が懸念されていることもエネルギーを中心に価格を押し上げている。米国などではサービス価格の騰勢も強まっており、労働力不足による賃金上昇が価格に反映されている。

需給のひっ迫が長引くと、高インフレが常態化するとともに、インフレ率の振幅も大きくなる恐れがある。インフレ率の振幅を高める要因として次の2点に注意を要する。第1に、グローバル化の後退である。経済圏の分断などで調達先の選択肢が狭まると需給変動が激しくなるほか、企業間競争の停滞でコスト変動が価格に転嫁されやすくなる。第2に、中央銀行の政策スタンスが不明瞭となる点である。高インフレ期には、中央銀行は景気と物価のトレードオフに直面しやすく、景気への配慮からインフレの安定化を後回しにする場面が増える可能性がある。

インフレ率の変動が高まると、経済成長率が低下する点が懸念される。これには、①将来収益や所得の見通しを困難にし、企業や家計の支出を抑える経路、②リスクプレミアムの拡大で金利が上昇し、消費や投資を押し下げる経路が挙げられる。試算によれば、インフレ率の変動が1980年代並みに高まると、年間の経済成長率は世界全体で0.2%ポイント弱、先進国で0.3%ポイント押し下げられる。物価安定を通じて経済成長を持続させるためにも、国際間の協調体制や取引ルールの整備などで経済分断を回避する取り組みや金融政策の透明性を一段と高めることが重要となる。


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