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リサーチ・フォーカス No.2022-014

わが国の国際金融都市戦略の評価と今後の課題~3都市連携と施策展開のスピードアップを~

2022年06月08日 野村拓也


わが国では、香港の社会的混乱等を背景に、2020 年初より国際金融都市実現に向けた議論が活発化。政府の提言を受け、金融庁が税制改正等の施策を矢継ぎ早に実現させたほか、東京、大阪、福岡の各都市が、国際金融都市に向けた戦略を策定。とりわけ、東京は、グリーンボンド発行支援に係る補助金の制度化など、一部の施策を実行済み。

しかしながら、英シンクタンクZ/Yen Group が公表する国際金融都市ランキングをみれば、この2年間、東京の順位は下落する一方。シンガポール、香港に加え、上海や北京にも後れをとっているほか、大阪や福岡も国際的なプレゼンスが向上したとは言えない状況。

わが国が他国と比較して評価が低迷した理由として3点を指摘可能。第1に、スピード感の欠如。シンガポールはこの2年間でテクノロジー関連の補助金や人材獲得支援、サステナブルファイナンス支援など、東京よりも幅広い分野で、より多くの施策を実施。第2に、ビジネス環境の整備不足。アンケート調査の結果をみると、わが国は、規制・法律環境の整備や高度金融人材の確保しやすさなど、ビジネス環境面で劣勢。第3に、自国の強みを活かす施策の不十分さ。国際金融都市としての地位が脅かされた香港は、中国本土へのゲートウェイとしての位置づけを強みに、香港と中国本土の双方から投資可能な制度を拡充するなど、中国との関係性を一層強化。一方、わが国は、強みである個人金融資産を活かすための具体的な施策を講じられず。

わが国の国際金融都市実現に向けて求められる取り組みを挙げると、以下の通り。
① 各都市が参加する会議体を立ち上げるなど、都市間のコミュニケーションを強化して、「協働」できる分野と「競合」してお互いに高め合う分野を明確化。前者については、政府も関与してスピーディに施策を実行すべき。

② ビジネス環境を整備して外国の金融機関やフィンテック企業の誘致を進めるため、金融関連法令の迅速な英訳や、金融人材育成を目的とした教育研修機関を立ち上げるべき。

③ わが国最大の強みである多額の個人金融資産を有効活用するため、エンジェル税制の拡充、ESG 投資に係る税制優遇措置、確定拠年金制度の年間拠出限度額の引き上げなどを検討すべき。

(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
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