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東証一部・二部上場企業における役員報酬の支給実態調査(2021年度版)

2022年05月17日 綾高徳


 株式会社日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門は、東証一部・東証二部上場企業2,648社(※1)における役員報酬の支給実態について調査しましたので、この結果を公表します。

【調査概要】

●調査目的
 東証一部・二部上場企業における報酬水準や報酬構成比率等を調査・分析し、役員報酬制度を検討する際のベンチマークデータの1つとして活用することを目的に実施した。

●対象企業とソース
 EDINET(Electronic Disclosure for Investors' NETwork)提出の東証一部・東証二部上場企業2,648社を分析対象とした。調査は有価証券報告書をソース(※2)とし、有価証券報告書記載の4【コーポレートガバナンスの状況等】(4)【役員の報酬等】から報酬項目および額を抽出して整理した。有価証券報告書は2020年4月1日~2021年3月31日を対象期間として提出されたものを用いた。

----【要 旨】----

■報酬水準
 東証一部・東証二部上場企業2,648社における社内取締役(執行役含む、監査等委員を除く)の平均年俸(※3)は3,282万円(内訳:基本報酬2,304万円、賞与588万円、株式報酬331万円、退職慰労金48万円、その他11万円)、社外役員の基本報酬水準は同635万円であった(加重平均値)。なお、東証一部・東証二部上場企業2,648社における各社の当期純利益に対する役員報酬総額の割合(※4)は6.1%であった(中央値)。

■報酬構成比率(報酬総額に占める各報酬額水準の割合_※総額ベース)
 東証一部・東証二部上場企業2,648社における社内取締役(執行役含む、監査等委員を除く)の報酬構成比率(実績)は①基本報酬(※5)70.2%、②賞与(※6)17.9%、③株式報酬(※7)10.1%、④退職慰労金1.5%、⑤その他報酬0.3%であった。なお、➁賞与の支給社数は1,452社(54.5%)、③株式報酬を交付または計上した社数は1,233社(46.6%)、④退職慰労金を交付または計上した社数は326社(12.3%)であった。
 社内監査役・社内取締役(監査等委員)の報酬構成比率は①基本報酬97.7%であった。社外役員は①基本報酬97.6%であった。監査役および社外役員は経営における役割の性質から、業績連動性のある賞与や株式報酬を報酬項目として設定しない傾向(※8)が現れている。

※詳細につきましては、下記の報告書をご参照ください。
【報告書】

(※1) 決算期の変更等の理由による2社を除く。
(※2) 役員報酬サーベイの方法論は、主として本調査で採用した有価証券記載事項から抽出する方法と、アンケートによる方法がある。それぞれの方法にメリット・デメリットがあり目的に応じて方法論を選択、または組み合わせて使用することが重要である。
(※3) 有価証券報告書記載の4【コーポレートガバナンスの状況等】(4)【役員の報酬等】➁「役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数」表に記載の員数を用いて機械的に計算した。尚、指名委員会等設置会社においては非取締役の執行役を含んでいる。計算に用いた員数は期初から総会日までの期間において退任・新任の重複を含む場合があるため、結果としての平均年俸は実際よりも低く計算されている点に留意する必要がある。
(※4) 割合=役員報酬総額/(当期純利益+役員報酬総額)にて計算した。
(※5) 基本報酬について①前年度業績によって基本報酬の一部が変動するタイプは基本報酬とした。➁役員持株会拠出報酬は基本報酬とした。
(※6) 賞与は、短期(単年度)のインセンティブを目的とした業績連動報酬をカウントした。なお①賞与の一部を株式で交付するタイプは賞与とした。➁業績連動報酬において、賞与と株式報酬の区別が記載されておらず注釈等からも判定できない場合は賞与とした。③賞与を12等分して毎月定期同額給与として支払っている場合において、基本報酬と別に賞与額を認識できる場合は賞与として、別に賞与額を認識できない場合は基本報酬とした。
(※7) 株式報酬は、中長期のインセンティブを目的とした非金銭報酬をカウントした。なお①ファントムストックは株式報酬とした。➁当該年度の引当額を記載していない場合は0円として処理した。③集計上の都合により、内数記載の株式報酬が基本報酬または賞与のいずれかに費用が計上されているか判定できないため、一律賞与から差し引いて報酬額総額の整合性を担保した。
(※8) 社外取締役への株式報酬適用は、日本における現在の傾向を是とすることが全てと筆者は考えない。 例えばプレーンなRS(Restricted Stock)のような前年度の会社業績にもとづくKPI達成率等から割当数を算定しない株式報酬は、社外取締役に期待される役務内容と報酬の性質が相反しないと考える。
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