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リサーチ・アイ No.2022-008

ウクライナ危機下でも好調を維持するフランス経済 ~インフレ圧力の弱さと希薄な対ロ関係が背景~

2022年04月28日 栂野裕貴


フランス経済が好調。昨年の経済成長率は7%と他のユーロ圏諸国よりも高成長。昨夏にいち早く経済活動がコロナ禍前(2019年平均)水準を回復。先行きも好調を維持し、今年の成長率もユーロ圏全体よりも高くなると予想。背景として、以下の2点を指摘可能。

第1に、インフレ圧力の弱さ。ユーロ圏各国でインフレ率が急上昇するなかで、フランスのインフレ率は最低の部類。背景として天然ガスを利用した火力発電への依存度が低い点を指摘可能。天然ガスを利用している国ほど、最近のガス価格高騰で電気代が上昇する傾向。フランスの電源構成は原発を中心としており、今後のインフレ圧力も抑制される公算大。

第2に、ロシアとの希薄な経済関係。対ロ貿易取引がGDPに占める割合は1%未満。西側諸国とロシアの関係がさらに悪化したとしても、貿易面からの直接的なマイナス影響は限定的。

もっとも、今後の政治情勢には要注意。4月24日に実施された大統領選挙では、現職のマクロン大統領が再選されるも、6月の国民議会選挙では与党の苦戦を予想する向きが多数。大統領の政権基盤が弱まると、労働市場改革などが停滞して、潜在成長力を低下させる可能性も。


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