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リサーチ・アイ No.2022-005

ロシア資源の禁輸措置で西側経済は不安定化 ー全面禁輸なら25兆円の生産下振れー

2022年04月15日 西岡慎一


西側諸国がロシア産資源の禁輸措置を強化。3月に米国がロシア資源の全面禁輸を打ち出したほか、英国でも原油の禁輸を決定。4月には、英国と欧州連合(EU)が石炭の禁輸に踏み切り、日本もこれに追随する方針。今後、英国とEUは対象を原油や天然ガスに広げることを検討。戦況悪化で禁輸対象が拡大すれば、西側諸国の経済に以下3点の懸念。

第1に、資源を円滑に代替できない場合、電力や原材料の不足で強い減産圧力。国際産業連関表による試算では、ロシアから鉱物性資源や石油製品の調達をすべて停止すると、西側諸国の生産は25兆円減少。なかでもロシア資源の依存度が高い欧州で16兆円と減産圧力が集中。

第2に、資源高による所得流出が発生。禁輸措置は代替調達物の需給ひっ迫を招き、価格上昇に。昨年の資源高で、北米や豪州などの資源国を除く多くの西側諸国で交易損失が拡大し、所得が海外に移転。禁輸措置はこの傾向を助長する公算大。

第3に、資源調達を巡る地政学リスクがロシアから他地域に移転する可能性。EUでは、原油や天然ガスの主要な調達先は、内戦や紛争が多い中東やアフリカ諸国。輸入増加はこれら地域の地政学リスクを高める結果に。代替エネルギーの活用や西側諸国内で化石燃料を融通する体制づくりが急務。


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