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保育所等入所手続き等に関するICT化に向けた好事例集の作成に係る調査研究

2022年04月14日 福田隆士、今川成樹、古内拓


※本調査研究は、令和3年度子ども・子育て支援調査研究事業(内閣府)として実施したものです。

1.目的
 本調査研究では、保育所等の入所手続き等についてデジタルで完結可能な対象手続きの拡大、および施設型給付費等の請求事務や加算認定事務等のICT化推進による事務負担軽減に資することを目的とした。そのため、自治体における保育所入所手続き等のデジタル対応の推進状況、施設の請求事務および加算認定事務等のICT化推進状況について調査し、実態を把握する。また、自治体の参考となるようデジタル対応の取り組みについて事例集の取りまとめを行った。

2.調査の方法・進め方
 本調査研究では以下の内容を実施した。
(1)市区町村向けICT化の推進に係るアンケート調査
(2)保育所入所手続き等のICT化に関するヒアリング調査
(3)請求事務・加算認定事務等のICT化に関するヒアリング調査
(4)ICT化推進の課題およびポイントの検討、整理
(5)事例集および報告書取りまとめ

3.主な調査結果

<保育所入所手続き等のデジタル対応状況>
・保育所等の入所手続きに係るデジタル対応の状況としては、「問い合わせチャットボット等の相談の自動化」、「申請書類・届出のデータ取り込み」、「保育所の利用調整」において、デジタル対応の割合が比較的高い結果となった。「保育所の認定/利用申請」「保育所の現況届の提出」については、「ぴったりサービス活用」および「申請書の電磁的作成」により対応している団体が一定程度存在する。
・現在検討しているデジタル対応の取り組みとしては、「保育施設等の認定/利用申請」、「保育施設等の認定/利用申請・現況届のデータ取り込み」、「保育施設等の利用調整」等が挙げられる。
・デジタル対応の推進状況については、全体的に「デジタルツールの利用が進んでいる」と回答している自治体は少ない。また「保育所の認定/利用申請」、「保育所の現況届の提出」については、「デジタルツールがほぼ利用されていない」との回答が多い。
・また、「申請書類・届出のデータ取り込み」「保育所の利用調整」についても、大幅な工数軽減につながっていると回答している団体は一部にとどまっている。

<施設型給付等に係る請求事務・加算認定事務等のデジタル対応状況>
・各施設等とのやり取りにおいては、「電子データのメール送付」、「紙媒体」の2つが多くを占める結果となっており、デジタル対応はあまり進んでいない。支払いデータ作成・書類審査・通知作成については、紙での処理が存在している自治体が多い。

4.まとめ
 調査結果等を踏まえ、以下のとおり課題と今後の検討事項を整理した。また、自治体のデジタル対応の取り組みについて事例を取りまとめた。

<調査を踏まえた課題>
・保育所の入所手続きのデジタル対応については、導入割合・事例がいまだ少なく、また、検討が進められている自治体も少ない。申請書類の原本提出について、原本提出を求めている書類がある自治体のうち、今後原本提出を不要とする予定の自治体はない。
・請求事務・加算認定事務等については自動化できているケースは限定的であり、一部で自動化している場合においても、エクセル等で自動的に金額が算出できるといったものにとどまる。

<今後検討すべき事項>
・自治体がICT化を進めることが可能となる環境醸成の支援
・デジタル対応推進、負担軽減のモデル事例の蓄積、周知
・各自治体でデジタル対応を進める際の要点、基本的な流れの提示

※詳細および事例集につきましては、下記の報告書をご参照ください。
【報告書】

【本件に関するお問い合わせ】
 リサーチ・コンサルティング部門
 シニアマネジャー 福田隆士
 TEL:080-2302-7799  E-mail:fukuda.t@jri.co.jp
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