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リサーチ・アイ No.2021-080

コロナ禍で新たな旅行スタイルが定着―「人混み」と「移動距離」のリスクを抑える動きは当面続く見込みー

2022年03月18日 野間達哉


新型コロナ流行後、消費者の間で旅行を控える動き。国内の延べ宿泊者数をみると、2020年に大きく落ち込み、2021年もコロナ前(2019年)対比▲46.1%と大幅な減少が持続。

旅行需要が全体として落ちるなかでも、コロナ流行を契機に新たな旅行需要も。居住地別の旅行先をコロナ流行前後で比較すると、①地方・観光エリアからの大都市への移動が大幅に減少しており、人の密を避けた旅行が増加、②居住地と同じエリア内の移動が増加しており、長距離移動を避ける旅行が増加、という2つの特徴を指摘可能。

こうした旅行スタイルは、「マイクロツーリズム」や、「アンダーツーリズム」として全国各地で拡大。例えば、近隣への旅行を意味するマイクロツーリズムでは、感染リスクを抑えるための一棟貸し宿泊施設に近隣からの旅行者が増加し、年間売上が新型コロナ前の2倍に拡大した自治体の施設も。穴場スポットへの旅行を意味するアンダーツーリズムでは、隠れた名所の情報発信を行うなか、時間差による密を避けた案内で観光客を呼び寄せる取り組みも。

新型コロナの収束が見通せないなか、「人混み」と「移動距離」による感染リスクを抑えた新たな旅行需要は今後定着する可能性。一方で、国内旅行の1人当たり旅行支出は、日帰り旅行でコロナ前と変わらない一方、宿泊旅行でコロナ前比▲11.2%減少。これは、マイクロツーリズムやアンダーツーリズムの旅行単価が小さいことが背景。今後は、感染リスクを抑えつつ、新たなアクティビティの提供などを通じて旅行単価を増加させる取り組みが課題。


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