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リサーチ・フォーカス No.2021-053

世界的な耐久財インフレ、米国消費が主導―大規模な財政・金融政策と消費行動の変化が背景―

2022年03月04日 西岡慎一


今般の世界的なインフレは、耐久財価格の上昇が主導している点に特徴がある。なかでも米国での上昇が著しく、前年比は約20%と80年ぶりの大きさに達している。自動車、通信機器、家電、家具など多くの耐久財が値上がりしている。

価格上昇の背景には、サービスから耐久財へ需要が大きくシフトした点が挙げられる。世界の耐久財市場における米国のプレゼンスは大きく、同国の需要急増が供給網を通じて世界の様々な産業の生産を誘発し、一部で供給制約をもたらしている。耐久財市場の需給ひっ迫が貿易価格を押し上げ、世界の消費者物価に波及している面がある。わが国では、小売価格への波及は小さいが、耐久財の輸入物価は前年比+10%近くに達している。

米国の耐久財需要が押し上げられた背景として、①大規模な財政・金融政策と②消費行動の変化が挙げられる。耐久財消費は所得と金利の弾性値が高く、家計への多額の現金給付や金利の引き下げが消費を押し上げている。さらに、米国はコロナ禍で在宅勤務が最も普及した国の1つであり、人口密度が高い都市部から郊外への移住が活発である。こうした生活様式の変化も耐久財需要を押し上げている。試算によれば、米国の耐久財消費の増加分のうち6割が政策による効果、残りの4割が消費行動の変化で生じている。

今後予想される引き締め方向への政策転換で、耐久財消費の増勢も落ち着き、需要面からの価格上昇圧力は和らぐと考えられる。もっとも、供給制約の解消が遅れる場合や、生活様式の変化が耐久財需要を持続的に刺激する場合、政策による需給緩和効果は限定的となり、インフレが長期化する可能性には注意を要する。


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