呉軍華の視点 大学就職動向からみた中国経済 2022年02月16日 呉軍華 中国の名門・清華大学が先日、2021年度に卒業した7441人の学生の就職動向に関する報告書を公表しました。これによると、10月31日の時点で、就職先未定の比率は15.2%でした。一方、就職した卒業生のうちの69.9%の就職先は共産党・政府並びにその関連機関・学校と国有企業でした。2019年と2020年の同比率は各々61.2%と64.9%でした。ちなみに、日系を含む外資系企業に就職した卒業生の比率は2.9%です。 上記から二つのことが読み取れます。一つは、中国経済の景気後退がGDPなどの公表数値より一層進んでいる可能性が高いことです。もう一つは、人材がますます党・政府と国有企業に集中し、人材の「国進民退」が加速していることです。中国経済の現状とその将来を考えるに当たって、非常に示唆に富む数字でした。日本総合研究所調査部メールマガジン2022年2月10日