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リサーチ・フォーカス No.2021-043

インドの不良債権問題の現状と展望

2021年12月15日 熊谷章太郎


インドでは商業銀行の不良債権問題が深刻化している。政府とインド準備銀行は同問題の早期解決を目指しており、様々な取り組みに着手している。その成否を見極めることは、インド経済の先行きを展望するうえで極めて重要である。

現在特に注目されているのは、2021 年7月に発足したバッドバンク「NARCL(国家資産再建会社)」への不良債権の移管である。簿価2兆ルピーの不良債権が移管される予定であるが、まだ表面化していない不良債権はこれを上回ると見込まれる。そのため、現在の計画通りバッドバンクへの不良債権の移管が進んでも、商業銀行の不良債権比率は十分に低下しない可能性がある。

金融リスクが払拭されない場合、政府は、①NARCLによる不良債権の買取規模の拡大、②商業銀行への公的資本の注入、③公的信用保証制度の拡充、などを含む追加的な対応を検討するとみられる。これらは短期の金融リスクの抑制につながる一方、政府による過度な金融支援は財政赤字の拡大や銀行のモラル・ハザードを招き、中長期の金融リスクを増大させかねない。

インドが不良債権問題を抜本的に克服するためには、①銀行再編を通じた財務基盤の強化、②金融サービスのデジタル化などを通じた収益力の強化、③銀行と融資先企業の企業統治(コーポレート・ガバナンス)の強化、④不良債権比率の高い業種のビジネス環境の改善、といった改革を加速させていく必要がある。いずれの取り組みも相応の時間を要することを勘案すると、不良債権問題に端を発する金融リスクは当面残存するとみておくべきである。


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