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リサーチ・フォーカス No.2021-035

米国地銀を取り巻く環境変化と今後の展望 ~ 増加する合従連衡と新事業参入 ~

2021年11月10日 谷口栄治


米銀全体の税引き後利益をみれば、コロナ危機による影響が甚大だった2020年1~3月期、4~6月期に大きく落ち込んだものの、その後は回復基調に転じ、2021年入り後はコロナ危機前の水準を上回って推移。

もっとも、2021年4~6月期に前年比増益となった銀行の割合を資産規模別にみると、地銀が主体の中小・小規模行は、大規模行と比較して低位。日本と同様、米地銀も預貸ビジネスへの依存度が高く、低金利環境下では構造的にトップライン収益を伸ばしにくいことが主因。

こうしたなか、米国主要地銀は、以下のような収益改善策に注力。
①非米系銀行の米国リテール事業からの撤退を受けて、米主要地銀が同事業を買収。米国内での営業基盤を拡大。
②FinTech事業者を含め、専門の事業者の買収を通じて、新たな事業領域を開拓。収益源の多様化を企図。
③支店の削減など、デジタル活用によるコスト削減

今後の米地銀セクターの動向を展望するうえでは、①米FRBによる金融政策の正常化プロセスの進展ペース、②金融規制強化を図るバイデン政権下における銀行間の統合・再編の抑制度合いなどを注視する必要。

わが国においても、①地域金融機関は、米主要地銀をロールモデルに、預貸ビジネス依存からの脱却に向けた前向きな成長戦略に取り組んでいくこと、②金融当局は、地域金融機関の経営基盤強化に向けた各施策の効果を検証すること、が求められる。


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