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リサーチ・アイ No.2021-044

海運の需給ひっ迫、港湾の混雑と船舶の不足が背景 ― 主要国の中ではわが国への影響大 ―

2021年10月28日 内村佳奈子、小澤智彦


海運の需給がひっ迫しており、市況が高騰。ばら積み船運賃(バルチック海運指数)やコンテナ運賃はコロナ前対比約5倍の水準へと上昇。海運需給のひっ迫は財需要が世界的に急回復したことが影響しているほか、供給面の要因として、以下2点が指摘可能。

第1に、港湾の処理能力の低下。海運取扱量が世界1位の中国では、広州で新型コロナの感染者が発生した際、港湾や高速道路をすべて閉鎖するなどの厳格な措置を実施。これに伴い各種手続きが大幅に遅延。また、同2位の米国でも、コロナ禍による港湾作業員の不足や陸運の混雑も港湾の処理能力を低下させ、入港待ちの貨物船が大量発生。

第2に、船舶の不足。船舶はリーマン危機前に大量発注された影響で、危機後に過剰となり、海運市況は長らく低迷。これを受けて、近年は新規発注が抑制されたため、足許の海運需要の増加に船舶供給が追いつかず。

今後、感染抑制や労働者の復帰に伴い、港湾の処理能力は改善に向かう見込み。もっとも、年末商戦に向けて需要が増加するほか、船舶供給の増加には時間を要することから、需給ひっ迫の解消ペースは緩やかとなる見込み。仮に、海運需給のひっ迫が長期化した場合、世界経済の回復の重石に。特にわが国製造業は、主要国のなかでも、海運コスト増加による減収圧力を受けやすい点に要注意。


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